原発について、ふと思うところがあるので書きます。

原発はやめればいいと思っています。
発電所を停止させる、という意味よりももっと広い意味で、です。
しかし、やめるのは大変なんです。

安全の話であれば、発電所が稼動しているかどうかは些細なコトであって、重要なのは発電に使い終わった燃料棒。
こちらの処理のメドが全くついてない今の状態が、最大の問題だと思っています。

昨年の原発事故においても、原子炉は地震直後に停止しました。
津波の直撃を受けた後でも、すぐに爆発したわけではないです。

問題なのは、発電に使用した燃料棒が、発電をしていない状態でも、相当な熱を発生させること。
それを冷却しなければ、やがて自分の熱で溶けた燃料棒が質量の集積による臨界を起こしかねないこと。
停止している原発や、使用済み核燃料の冷却プールの中に入っているのは、そういった状態の危険なモノです。

発熱が収まった後でも、燃料棒にはプルトニウムをはじめとした、超長期にわたって放射線を発し続ける物質が残ります。
これを、どこに保管し、どのように管理するか、という問題がまったくメドがついてないわけです。
技術的には可能で問題ないというヒトもいますが、実現するメドがなければ意味はないです。

基本的には、ヒトのいない場所の地下深くに穴を掘って埋めるぐらいしか方法はないわけですが、いま、日本国内の自治体で、そんなことにOKを出す自治体があるとは思えません。

ゆえに、今現在は青森の六ヶ所村の燃料棒処理施設と、各原発の敷地内に仮置きされてるわけですが、これもまもなくいっぱいになるというコトなので、新たな置き場所が必要になるわけですが、そう簡単に見つからないでしょう。

直近の見通しとして、原発は動かしたくても動かせなくなる、という現実があったりします。

日本は50年前から原発を稼動させて、そのメリットを享受してきたわけですが、そろそろ、そのデメリットに直接対峙しなければならない時期に来ています。
電気というメリットを生みださない状態で、燃料棒処理というコストを払わないといけないわけですから、大変ですよ。
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