昨日の男鹿半島。大潟ジオパーク検定をFacebookの方にあげてみたところ、いろいろ反応を頂きました。
自転車が好きな人から、自転車とジオを絡める企画の話もでましたので、試しに自転車とジオ向けのコースを考えてみました。

ただし、自転車でジオサイトを巡るだけでは、あまりにも安易ですので、ちょっとだけ頭をひねってみます。

自転車の特長は移動するレジャー


自転車の特長は、何といっても一か所に留まるのではなく路上を移動しながら、風景や空気を肌で感じられるというあたり。
車の場合は、どうしても移動することが目的になりすぎますし、窓からの風景も限られます。

20km/hのスピードで、360度パノラマを楽しみながら移動できるという意味では、組み合わせやすいツールであります。

とはいえ、ちょくちょく止まってジオサイトを見学というのでは、自転車で移動することによる達成感が希薄になりますので、ジオサイト間の移動に自転車を利用するだけでは相乗効果はあまりないと思ってます。

移動の中に、大地形成のタイムスケールを感じてもらう


そこで自分が注目するのは、男鹿半島の形成された年代。

男鹿半島は大きくわけるとその形成過程が3つに大別されます。
この3つをタイムスケールを意識しながら走り抜けるのは、ちょっと面白そうです。



1.複数にわたる噴火でできた寒風山をヒルクライム


男鹿半島にやってきて最初に大きく見えるのは寒風山。
ここは、複数回の火山活動で形成された火山です。
年代は、ここ2万年前ぐらいのごく最近だそうです。

山頂も2つありますし、火口も3つあります。
おかげで、富士山のようなシンプルな形ではないので、標高(355m)の割には、自転車でも楽しめる山になっていますので、まずはヒルクライムからスタートです。

2.日本海の海底を感じながら海岸線をツーリング


男鹿半島の平野部分は、そのほとんどがかつては海の底だったそうです。
日本列島がユーラシア大陸から切り離されて日本海が形成されていく過程で、男鹿半島は海の底に堆積した土砂や岩石なりが積み重なって今の大地を形成しているとのこと。

男鹿半島の海岸線を走っていくと、古い地層に向かって走っていくことになります。
タイムマシンで過去にさかのぼっているかのように、大昔に作られたであろう特色のある岩石を海側に見ながら西に向かって走っていきます。

3.大陸とのつながりを感じる西部の山々


男鹿半島には、寒風山だけでなく、西側に本山・真山・毛無山からなる山岳地帯になります。
このあたりの山々から、入道崎にかけては男鹿半島の中でも最も古いとされる大地で、年代にすると7000万年以上前の大地だそうです。
寒風山のあたりが2万年ぐらいですから、ものすごく形成年代に差があります。

そして、この大地が形成されたのは、日本列島がまだユーラシア大陸とつながっていたころ。
東日本はシベリアのあたりから千切れてきたとのこと。
男鹿半島は、今のウラジオストクよりももっと上のあたりから千切れたきたようです。

大陸、シベリアからの風を感じながら西海岸のアップダウンを楽しみ、最後は男鹿半島で最も古い大地である入道崎にて、遠く対岸のシベリアを望むというのも、なかなかロマンのあるコースです。

ちなみに、千切れてきた元がどのへんだろうかと地図を眺めていたら、ウラジオストク、ナホトカの上あたりに「オリガ(Ol'ga)」という地名を発見!
「お~、きっと男鹿(Oga)は、ここから千切れてきたんだぁ~」と興奮してたり…



閑話休題

移動をレジャーにする


自転車、特に自分が好きなスポーツバイクは移動することそのものをレジャーにするツールです。
その特性を活かしつつ、ジオのタイムスケールを感じられるようなコースを設定してみましたが如何なものでしょうか。

コースにすると寒風山→南磯→西海岸→入道崎という、それほど変わったコースでもないですが、ジオが好きな人にとっては、同じコースでも感じるものは違ってくると思います。
同じモノを提供しても、受け取る側によってその価値は変わります。
そのあたりを、もっと研究していけば、今見えている以上の価値を提供できるんじゃないかと思ってます。

以上。
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