スポーツサイクルを趣味にしてると、よくいただく反応が、健康的でいいですねぇ…という感じのモノ。
もちろん、健康にもいいですし、健康以外にもいいですし、基本メリットしかない、いい趣味を持ってるなぁ、と我ながら自分の趣味を自画自賛するトコロではあります。

ただ、こうした反応をいただくに都度に、日本の社会の中でのスポーツの扱いっていうのも、ちょっと変だね…という感覚を持つ時があります。

学業の一部としてのスポーツ


今朝見かけたTwitterで、「中3の娘が、県大会が終わり部活が終わったので、今日からバッシュもウェエも持たずに家を出ました」というのがありました。
学校の部活は、たいていの場合、3年生になって最後の大会が終わると終了します。
それ以後は、普通は練習をすることもなく学業に専念し、少なくとも半年以上の期間をスポーツから離れて生活することになります。
次に所属する団体(高校、大学、企業など)で、うまくスポーツを再開できればいいのでしょうが、年齢があがるにつれてスポーツを継続する機会は少なくなっていきます。

これって問題です。

周囲の状況で止めてしまうスポーツ


スポーツを休止するタイミングが、自分の意思ではなくて、周りの状況に左右されるという構造。
自分の意思でやめるのではなくて、受験、進学という状況によってやめさせられるというのが不自然です。

学生の時は学校の部活という単位でスポーツをすることが多いために、スポーツも学業の一部という妙な構造になっているのが要因なのかなぁ…と考えます。
そのため、受験の前にはスポーツをやめることが半ば常識化してしまって、それを小学校、中学校、高校、大学と繰り返すにつれて、大人になれば学校の勉強をしないようになるのと同様に、スポーツをしなくなるのが一般的なコトを捉えられています。

大人になればスポーツをしない、というのはやはり変です。
スポーツは、一度始めたら一生続けるべきものだと思います。

スポーツをやめることのリスク


一度スポーツをしていた人が、スポーツをやめてしまうのは様々なリスクを伴います。
練習もしていないのに、昔と同様に動こうとして、怪我をしてしまったり。
現役の時と同じ食生活、同じ摂取カロリーを維持してしまい、肥満体質になったり。

大会で結果を出すとか、毎日ストイックにトレーニングを継続するとか、そーゆー高いレベルで取り組んでいた人ほど、中途半端に運動することに抵抗感がある人が多いようで、現役時代はスリムで筋肉質な体質だった人が、就職して30歳を迎える頃にはメタボ検診に通っているという状況も少なくないようです。
トータルコストで見ても、あとあと高い医療費を払わされることを考えれば、個人としても、社会としても、大きな損失であると言えます。

自分の身体と正面から向き合う


スポーツという言い方が適切かどうかはともかく、身体を動かす、運動をする、という習慣は本来一生継続されるべきものだと思います。
人間といえど、生き物であることは間違いないですので、生物学的に体力が衰えた状態というのが推奨される理由はどこにもないです。
その意味では、スポーツが学業の一部として扱われて、何かしらの結果を求める価値観と一緒に扱われているのは残念な状況です。

大会で結果を出すとか、将来のプロ選手を目指すであるとか、全員で協力して結果を目指す訓練であるとか、何かしらのメリットと共に取り組むことが強調されていて、一生に渡って面倒を見ていかないといけない自分の身体と、正面から向き合うべき部分が見落とされがちなのは残念なところ。

30代、40代と年齢があがるにつれて、間違い身体能力は衰えますし、病気、怪我にも弱くなります。
そのときに、何かしらの運動習慣を持っている人であれば、身体が発するシグナルに対する感度も意識も敏感ですので、大事なく対処できる可能性もありますが、運動から離れ、自分の身体と正面から向き合う機会を持てなかった人の場合、外部からの指摘(会社の健康診断など)で病院に行ったときには、相当に危険な状況であるということも少ないないようです。

部活に囚われないスポーツとの関わり


自分は、幸いにして学校卒業から3年後に、たまたま自転車を始める機会に恵まれて、以降20年近く自転車に乗る習慣を継続することが出来てます。
ですが、これはたまたま幸運だっただけであり、ちょっとした巡り合わせで、今頃病院通いの人生を送っている可能性だってあったわけですから、できれば、子供の頃から運動をする習慣が継続されるような仕組みが、社会の中に根付いてほしいと思います。

実際、最近は学校の統廃合などで、部活動で選択できるスポーツもメジャーなスポーツ(野球、サッカー、バスケなど)に限定されてきているとうお話も耳にします。
学校という枠組みでスポーツに取り組むというのも、そろそろ難しくなってきたような気もします。

実際に取り組んでいる方々もいらっしゃるでしょうし、いろいろ苦労なされている方々も多いでしょうし、このあたりは逆に学校の支援を受けて、外部のスポーツ団体にアウトソーシングするような仕組み作りなど、いろいろと模索が必要なのかもしれません。
別に、大人と学生が一緒にスポーツをしたっていいんですし。
もちろん、専門家でもないので下手なお話はできませんが。

まとめ


地域の中、スポーツクラブの中、いずれにしても学校以外の場所で、継続的に取り組める仕組みというのも意識していくべきなんじゃないかと思います。
もちろん、人によって運動の好き好きもありますし、全員を取り込む必要があるわけではないですが、スポーツは学校の中の行事の一つというような考え方では、これから先は成立しそうもないです。

もっと自由にスポーツや運動が楽しめる社会というのも大事なんじゃないかと思ってます。

以上。
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