モノ(デバイスやツール)を長きにわたって使う習慣があります。
ぱっと思いつくモノでも

大学生の頃に買ったCDラジカセ
18シーズン目を無事走り切ったクロモリMTB
バルブをLEDに交換したマグ3セル
5年落ちの17インチノートPC

他にも、いろいろありますが、自分が使い込んだデバイスやツールを、手入れをしながら使い続けるというのは、すごく味わい深いものです。
使い慣れた形状や操作性、手入れをするために蓄えたメンテナンスの知識、一つ一つの傷に残る記憶、そして長い付きあいをともに過ごしてきた戦友のような連帯感。
こうした感覚は、次から次へと新製品に買い替える消費文化とは真逆のものではありますが、すごく愛おしいモノ文化です。

もちろん、購入するときにはそれなりにコストがかかるのは確かですが、そうした製品は、たいてい延命の手段が用意されるのが通例で、たとえメーカーが準備しなくても、思い入れのあるユーザーが多ければ、ネットを検索することで延命やメンテナンス、チューンナップの方法が共有されています。
自分たちは、子供の頃はモノを大事にしなさいと言われて育ってきた世代ですので、3年程度で壊れてしまうような製品や、メーカーには、不信感を持ってしまいます。
現代は、どのメーカーもコストダウンのために、製品の耐久性を削っているケースが多いですが、そうしたモノを見抜く力を身につけるのは、これからの社会を生きていくうえで大事なスキルかもしれないです。

個人的には100円ショップでは、消耗品以外のモノは買わないようにしています。
100円ショップでは購入を決める時に「100円だし、まず買ってみるか」という判断をしがちです。
これは購入の軸足が「カネ」を基準にしているのであって、「モノ」を基準にしていない。
その「モノ」が自分の生活に何をもたらしてくれるかを判断することを放棄してしまうために、この買い方になれてしまうと、自分に必要な「モノ」を選ぶ力が低下すると考えてます。

そうなると、もっと高価な製品を選ぶ時にも「カネ」を基準にしてしまい、「モノ」の価値を軽視しがちになります。
せっかく買ったのに、いざ「モノ」を手にしてみると、その「モノ」の価値に不満を覚えてしまってはなんにもなりませんから。

今年は、世間一般では、日本の景気が回復し、経済が活性化されているとされているようですが、その原資になっているのは、巨額の借金(国債)であることを考えると、この状況が長続きするかどうかは微妙です。
「カネ」に軸足を置いた社会というのは、どうにも不安定要素が満載で落ち着かない気がします。

「モノ」に軸足を置いた、地道な社会を形成していければ、いくらか落ち着いて年を越せそうなのですが。
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